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偶然、目にした保健所職員の検査現場。 安全を守る仕事に感じたやりがい

薬剤師 福祉健康局 衛生指導課
平成28年度入庁 異動歴:衛生指導課

薬剤師として、行政の立場で生まれ育った地の安全・安心に貢献

金沢市役所に興味を持ったきっかけを教えてください。

大学5年次の実務実習の際、実習先の薬局が新たな店舗の営業許可を取得するための検査に立ち会う機会がありました。偶然のタイミングで、新規開設検査の現場に同席するという貴重な経験を得ましたが、そこで保健所の職員が実際に指導する場面を目の当たりにする機会に恵まれました。
講義の中でそうした手続きがあることは理解していましたが、直接「保健衛生行政」の現場に触れ、保健所での薬剤師の仕事に興味を持ちました。研究や薬局での仕事とは異なり、行政の立場から薬剤師として生まれ育った金沢市の安全・安心のまちづくりに携わりたいと考え、金沢市役所で働く道を選択しました。

事業者への指導、検査、研修会を通して、食の安全守る

現在担当している業務はどんな内容でしょうか?

食品安全対策室に所属し、飲食店や食品工場などの食品衛生に関する業務を行っています。飲食店を始めるには、法令の基準を満たした施設を整備し、許可申請することが必要です。これらについて事前に、図面や書類で施設基準を満たしているかといった確認を行い、運用に際して衛生管理しやすい設備や配置になっているかなどのアドバイスも行っています。申請受付後は、実際の現場施設が基準に適合していることを確認するとともに、申請書の内容が届け出通りであるかどうかを確認する現場検査を行います。
また、法改正により制度化されたHACCPに沿った衛生管理について、市内の主として飲食店事業者向けに、衛生管理の理解を深め、具体的に事業所で導入するための研修会を開催して普及啓発を行い、事業者の相談に応じています。保健所内の食品衛生や理容所や美容所、旅館業などの衛生管理に関する施設台帳を管理するシステムの更新作業にも携わっています。

再び訪ねた現場で、改善された衛生管理を目の当たりにする喜び

今後の目標を教えてください。

飲食店や量販店は数も多く、衛生管理について指導していくことには時間もかかり、大変な労力が求められます。しかし、少しずつでも指導を重ねていくことが、金沢市民の食の安全・安心を守ることにつながっていると信じて日々の業務に励んでいます。残念ながら、指導が必要な施設もありますが、そのような施設を次に監視に訪れたときに、前回指摘した部分が改善されるとともに、こちらの指導について理解をいただき、事業者の方の衛生管理への関心が高まり、熱心な質問を受けたときにはやりがいを感じました。
現在、食品衛生法の大幅な改正があり、営業許可制度の見直しやHACCPに沿った衛生管理の制度化など、対応しなければならない課題は山積みです。しかし、市内の食品事業者の方々にこうした動きに対応していただき、市民の食の安全・安心が確保されるよう自分自身も勉強を重ね、円滑に指導や相談対応ができるように努めていきます。

メッセージ

臨床現場や製薬会社ではなく、行政の一員として活躍する薬剤師

薬剤師の仕事と聞くと、病院や薬局などの臨床現場や製薬会社が最初に頭に浮かぶかもしれません。特に、臨床現場では患者さんと接する機会も多く、実務実習で体験したこともあり、やりがいを想像しやすいかもしれません。しかし、そのような現場を支え、食品衛生や環境衛生など生活に身近な現場の安全・安心を守るのも薬剤師の大切な仕事です。金沢市民の健康を守るため、行政の立場で薬剤師としての知識や技術を生かしてみませんか。
毎日の業務はミスが許されないことも多く、公の立場での責任を感じることも多いのですが、勤務日と休日のメリハリをつけて、休日はゆっくり休むようにしています。ゆっくり休むことで、ふと仕事のアイデアが浮かんでくることもあります。仕事とプライベートのバランスがとれた環境で働けることもこの仕事の特徴だと思います。

1日のスケジュール

  • 検査準備

    当日検査の書類等を確認し、検査の準備をします。

  • 新規検査

    新たに営業を開始する施設の現場検査を行います。

  • 昼休憩

  • 研修会

    事業者向けの研修会の講師をします。市民向けも実施します。

  • 検査結果のまとめ

    午前中に行った検査結果を書類にまとめ、事業者へ通知する文書を作成します。

  • 退庁