役割を確実に行うことが獣医師としての使命
現在担当している業務はどんな内容でしょうか
食肉衛生検査所では、石川県金沢食肉流通センター(以下センター)でと畜解体処理される食肉の検査を行っています。食肉となる家畜(牛、豚、めん羊等)をと畜場法に基づいて1頭ごとに検査しています。獣医師としての専門技術、知識を生かし、市民の食を支える重要な仕事です。病気の疑いがある家畜は精密検査を行います。微生物検査、病理検査や理化学検査を実施し、合格したものだけが市場に流通します。また、センターでは平成28年10月からHACCPという衛生管理システムを導入しています。本所の職員は、このHACCPが正しく行われているか毎日監視し、出荷される食肉が衛生的であることの検証や、適切な温度管理が行われていることのチェックなどを行っています。このような役割を確実に行うことが獣医師としての使命であり、市民の皆様に安全な食肉を届けることにつながると考えています。
市民の皆様に安全・安心な食肉を届ける
これまでに担当した業務はどんな内容でしょうか
平成14年に入庁し、食肉衛生検査所に配属され、動物用医薬品残留物質検査担当となりました。一般的にお肉を生産する場合、家畜の生産者は、健康な家畜を育てるために、病気予防のための動物用医薬品を使用します。食肉衛生検査所では、使用された薬がお肉に残留していないことを、生体検査、内臓検査や枝肉検査に基づき残留物質検査を行っています。検査は、抗生物質を検査するための簡易検査法(バイオアッセイ)と合成抗菌剤等を検査するための高速液体クロマトグラフ(HPLC)検査があり、市民の皆様に安全・安心な食肉を届ける責任を感じていました。
平成25年に試験検査課の微生物検査担当に配属され、そこでは、食品の規格基準検査や食中毒や感染症等の検査を行っていました。細菌やウイルスによる食中毒が疑われた場合、原因を特定するために、多種の培地を使って細菌の培養を行い、同時にウイルスの遺伝子を抽出しPCR検査を行います。さらに見出した細菌やウイルスの毒素産生性、抗原型別や遺伝子型別など多くの追加検査を行います。原因となった細菌やウイルスを見つけ出すことで、食中毒事件の原因究明や今後の予防に繋がるので非常にやりがいのある職務でした。最近では新型コロナウイルスのPCR検査に従事し、感染症対策に関わりました。
後輩達が働きやすい職場作り
今後の目標を教えてください
食肉衛生検査所では、と畜検査時に1頭の家畜を複数名で多方面から検査を行うという特性があります。そのため、係内や所内における情報共有や検査技術の伝承を大切にしており、風通しの良い職場環境となっています。育児や看護休暇の取得も推進しており、共働きの家庭でも働きやすい職場です。諸先輩方が作り上げてきた職場環境の良い部分は継承し、今後入庁してくる後輩達が働きやすい職場作りを目指していきたいと思います。専門職である獣医師はその知識と技術を生かして、市民の暮らしやすいまちづくりに貢献していければと思っています。
メッセージ
1日のスケジュール
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検査判定等
毎朝ミーティングを行い情報共有します 前日の培養検査等の判定をします
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と畜検査
豚のと畜検査をします
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と畜検査
牛のと畜検査をします
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昼休憩
検査のローテーションで順番に昼食をとります
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検査等
当日必要な精密検査や結果入力、資料作成等をします
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退庁